不動産
不動産業界におけるファクタリングは主に家賃収入(家賃債権)ファクタリングになります。
アパート、マンション、貸家などを保有する大家や投資家がよく利用するものです。
売掛先は入居者になるので、基本的に2社間ファクタリングの利用になります。
保証会社を利用した賃貸契約であれば、家賃を回収できなくなるリスクはないのでファクタリングの条件も優遇されます。
賃貸経営をしていると、設備の不具合を大家負担で対応しないといけなかったり、空室リスクでローン返済で苦労するなど資金調達の必要な場面はいろいろとあります。
大家の場合は、賃貸経営とは違う理由の資金調達でファクタリングを活用することもあります。
不動産担保ローンという選択もありますが、ローンを組んで購入していると条件が悪くなりますし、抵当権登記を求められるなど面倒なことも多く、手続きが比較的容易なファクタリングの注目度が高まっています。
活用事例①投資家による取得費用の工面
不動産投資は複数の物件を保有するケースが多く、運用を進めるに連れてどんどん新しい物件を取得する人も多数います。
ある程度の資金力ができれば、一括購入による取得も視野に入ってきます。
あと少しで狙っている物件の取得費用を工面できる場合や、大家として最低限の現金を手元に残しておきたい場合に既存物件の家賃債権ファクタリングを活用すると便利です。
個人の居住用物件であれば低金利の住宅ローンと住宅ローン控除を利用できるので、ローン購入を好んで活用する人もいますが、投資用物件だと金利が高くて優遇制度もありません。
ローンを組まなくても複数年に分けて減価償却できるので、一括購入した方がコスト面のメリットは大きいです。
少額の借入であれば審査に通すのは難しくないですが、利息のほかにもローン契約時の事務手数料を取られるのでファクタリングで対処したほうがコストや手間を削減できる場合もあります。
優良な投資物件はすぐに売れてしまうのでスピーディーに抑えることが成功へのカギです。
融資を受けるか迷うよりも、いざとなればファクタリングで資金調達するという気持ちで良い物件があればすぐに購入手続きを進めると、ファクタリングの手数料を差し引いても将来的な利益は増えます。
活用事例②老朽化による修繕は立て続けに起こる
築33年で10室の木造アパオートを賃貸経営していたところ、201号室の住人からベランダが若干傾いて危険な状態だと指摘されました。
建物の設備部分だったこともあり、大家負担で70万円をかけてリフォームをします。
それから僅か2ヶ月後に202号室の住民からも同じ症状を訴えてきました。
同じ年月、雨風に濡れてきたので老朽化が同時に進んでいるのは必然的なことです。
2階の5部屋中、2部屋だけベランダを新しくすれば、残りの3部屋からは不満の声が出ますし、近い将来修繕が必要です。
結果的にべランドのある2階の残り4部屋も全てベランダ交換をすることにしたのですが、さすがに合計350万円の出費は大家としても大きな負担です。
そこでファクタリングによって資金調達をして修繕費用を対処しました。
上記の例以外にも、お風呂、給湯器、水漏れなどアパート1棟所有の場合は立て続けに不具合の発生するものです。
外壁・屋根の修繕積立を計画的にできていない場合なども含めて、不動産業界ではファクタリングを活用する場面はたくさんあります。