個人投資家からの出資
個人投資家から出資を受けるには主に次の方法があります。
- 直接の人脈によって出資する個人投資家を見つける
- エンジェル投資家の集まる掲示板を活用する(アップルームなど)
- 株式投資型クラウドファンディングを活用する(ファンディーノなど)
経営者は横の繋がりを持っていることが多いです。
成長性があるビジネスや他社と提携することで相乗効果があれば、周辺の経営者や紹介によって個人投資家を見つけられるケースがあります。
直接の人脈は昔ながらの方法で、2000年代に入ってからはインターネットを活用した掲示板やマッチングサービスが普及しています。
しかし、インターネットを通じて企業(経営者・起業家)と個人投資家が直接やりとりを行うのはリスクが高く、機密漏洩や詐欺行為のトラブルが横行する問題がありました。
昨今はフィンテック技術の普及によって、株式投資型クラウドファンディングなど、新しい資金調達法が普及しています。
個人投資家は大きなリターンを求めている
出資は貸付に比べても投資家側のリスクが大きいです。
個人投資家は利息収入を狙う融資(貸付)よりも大きなリターンを求めています。
リターンの内容は大きく分けて配当(インカムゲイン)とIPOやM&Aによって株式を売却するキャピタルゲインです。
出資を受ける場合、個人投資家がインカムゲインとキャピタルゲインのどちらを重視しているのか把握する必要があります。
インカムゲインを狙う投資家の場合、決算の内容に対して配当が少ないと不満の声が出て、事業投資よりも株主還元することを求められることがあります。
キャピタルゲインを狙った場合、配当が少なくても寛大な対応を期待できますが、将来的に上場や大手によるM&Aを期待できるビジネスモデルでないと出資金を集めるのが困難です。
株式投資型クラウドファンディングとは
株式投資型クラウドファンディングは、未公開株を個人投資家が取得できるネットマッチングサービスです。
従来の掲示板とは違い、運営会社が厳しい審査を行い、厳選した未上場企業のみが募集をできることで、個人投資家からの信頼を得ています。
掲載すれば数千万円以上の大きな資金調達も可能ですが、ベンチャーキャピタルと同様に上場を見込める将来性が高いビジネスモデルを持っている必要があります。
出資を募る企業側から見た場合、運営会社に支払う手数料が大きな負担になります。
業界最大手のFUNDINO(ファンディーノ)の場合、資金調達に成功したら21.6%(2回目以降は16.2%)の手数料を取られます。
さらに、資金調達に失敗もしくは掲載審査に通らなかった場合、審査料として10万円+実費(最大100万円)の費用がかかります。
経営難の会社が利用するのは難しく、失敗時の手数料損失を負担できる体力がなければ、安易に利用してはいけません。
株式投資型クラウドファンディングに限らず個人投資家からの出資は、資金調達できればビジネスが大きな成長を遂げるケースにしか活用できません。